医療と介護が同じ土俵で

現在、地域包括ケアを実施するための医療と介護の連携、多職種による協同の支援などうたわれていますが、具体的な援助方法についてはあまり語られていないという問題があります。

もちろん、医療情報を共有しながら病状の変化を細やかに医療者側に伝える、細やかなバイタルを確認しながら入浴やリハビリを実施するといった連携を否定するものではありません。

しかし、人生の最終段階において病院と同じような細かい管理を、生活の場である自宅や介護施設で実施することだけが看取りにおける多職種連携ではないのです。

ケアマネージャーに求められるのは、医療側からの細やかな指示を守るだけの連携でなく、大きな苦しみを抱えながらも、その人が穏やかになることができる支えをキャッチしそれをチームみんなで支えていくことで、それが問題の解決につながるのです。

例えば、多職種連携においても、相手の支えが嚥下機能に合わせたソフト食を食べることであれば、その人にあった食事をつくり誤嚥を少なく食事介護ができる介護職のAさんに対して、介護職Bさんはその支えを強める援助ができます。

また、相手の支えが体をきれいに保つために定期的に湯船につかることであれば、寝たきり状態でも湯船につかれるサービスを提供できる訪問入浴の介護職Cさんは相手の支えを強める援助を行うことができます。

同様に痛みや息苦しさを最小限にする薬剤を処方し、副作用を最小限にできる医療職のDさんやEさんも支えを強める援助を行えるのです。

このように支えを強めるという視点になれば医療職も介護職も同じ土俵で話し合うことができるでしょう。